
健康教育コーナー
認知症の方への関わり方
認知症は、脳の病気や障害などの原因によって記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障をきたす病気です。
大きく4種類に分類されます。初期症状に物忘れなどが現れ、認知症の約半数を占めるアルツハイマー型認知症。手足のしびれや歩行障害などの脳血管障害が原因となる血管性認知症。幻視(実際には存在していないものが見えること)や手の震えなどの症状が出るレビー小体型認知症。社会性の欠如(きまりを守れないなど社会で生活する力の低下)などの症状が出る前頭側頭型認知症など、症状も様々です。
また、それぞれに合った対応の仕方があり、間違った対応で症状が悪化する事もあるので注意が必要です。
基本的なかかわり方のポイント
1.「否定をしない」
間違ったことをしていても、ご本人は正しいと思っています。優しく理由を聞いていく事が大切です
2.「放置しない」
ご本人は、自分自身の事も理解しにくくなっています。同じことを何度も行ったり、質問したりされることもあります。放置すると孤独を感じ、不安が増していくので、相槌を打つなどして関わってあげてください。
3.「無理に思いださせない」
新しい記憶から忘れていく事が多く、思い出す事は困難です。「なぜ?」「いつ?」「どうして?」等と聞かれると不安が増してしまいます。
4.「耳元で大きめの声でゆっくりと話す」
加齢の為、聴力が衰えることも多くあります。ゆっくりと目を見て会話をすると表情などから、伝わる事も多くあります。
5.「不安なのは本人だと理解し、共感する」
ご本人は、自分でもいろいろなことが理解できず、また相手にも伝わらない状況にあります。
「今、不安なのだな」と歩み寄ってみてください。ご本人の立場になって考えてみると認知症の方への関わり方がわかって来ると思います。
介護をされる側の方も、身体的にも精神的にも大きな負担となります。一人で抱え込まず、行政や関係機関に相談されたり、認知症カフェなどに参加されたりすることをお勧めします。